時計+人形

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永遠

「ぼくはいるよ、きみといるよ、
ずっとずっとそばにいるよ」





最初は君が許せなかった。
あの子が望む平和な世界を、僕は作りたかったから。
彼女は、後付けで作られた偽物の僕に、リオンという名前を与えてくれた。
だから僕は彼女の為に、戦おうと思った。
だからそれを嘲笑う君が、許せなかった。
でも。
恐怖と孤独に震えていたスパイダーも。
暴力と怨嗟をぶつけてきたパラノも。
諦観と絶望に笑っていたニトロも。
全部君の一部でしかないことが解った。
僕達が酷く、似ていることも。







ねえ、アッシュ。
僕は君のことが嫌いになれない。
君は否定するかもしれないけれど。
僕と君は良く似ているって、思えるから。



僕はママを殺す為に生まれて。
君はママが殺されたから生まれた。



只一つの為に作り出された僕らと。
沢山の道を自分で迷える人間と。
一体どちらが優れていて、どちらが劣っているっていうんだろう。
ひとつだけ、言えるのは。
目的が達成されれば、僕達はこの世界に必要とされないことだけ。



疲れたよ。
疲れたね。
戦いすぎた。
傷つきすぎた。



もう、眠ろう。



逃げじゃない。
絶望じゃない。
僕達が殺しあう理由なんてもう無い。
僕達はやっと、眠れるんだ。
もう二度と、目を覚まさないように。






ふたりで。










このまま。