時計+人形

のんべんだらりんごった煮サイト

Bloody herf body

「誕生日の祝いに、何か欲しいか?」
夕食後のひとときに、ぽろりと呟かれたのはそんな一言。
「お前」
がんっっ!!
間髪いれずに言葉を返した相手に、卓袱台に置いてあった灰皿を叩きつけた。休憩所にあるようなステンレスの軽いやつじゃない、石で出来たそれなりに価値のあるものだ。
投げつけられた相手はギリギリでかわしたらしく、ちょうど頭の後ろに建っていた柱に凹みが出来た。
「おー、危ねェ危ねェ」
「冗談はその胡散臭さだけにしろ!」
「ヘッ、お前も言うようになったなァ」
まだ治まらない怒りを押さえつつ、畳に飛び散ってしまった灰を拾う。いくら必死に平常心を心がけても、彼を目の前にするとどうしようもならなくなる。それがたまらなく嫌だ。
自分一人だけが、囚われているようで、嫌になる。
「で? どういう風の吹きまわしだ?」
おざなりに大きな吸殻だけ拾いながら、村雨が問う。
「何がだ」
手拭で綺麗に灰を拭って、相手をねめつける。
「今まで何一つ無料(ロハ)でくれたことのねェ渋チンが、悪いモンでも食ったのかと思ってな」
「……人聞きの悪い。僕だってたまには、利益を考えずに物を贈るさ」
「嘘つけ」
くわえ煙草であっさりいなす相手に、今度は卓袱台をぶつけてやりたくなる。
「…で、結局欲しいものはないのか?」
「だから、お前」
ガゴンン!
…実行に移した。残念ながら、今回も避けられたが。
「…別に冗談で言ったつもりはないぜ?」
「尚タチが悪い!」
灰皿は今回一瞬前に避難させていたし、二人ともちょうどお茶は飲み切っていたのでそんなに被害は大きくなかった。
「まぁ、そうだな。もう嫌って程貰ってるか」
「っ貴様……!」
かっとなって身を乗り出した瞬間、有無を言わせぬ力で腕を引かれた。
「……別に、いらねぇよ」
長い腕の中に抱き締められて、耳元で囁かれた。
「…どうしてだ?」
「十分過ぎるほど貰ってる…これ以上抱えられねェよ」
「…いつになく弱気だな」
「かもな。雨のせいとでもしとくか?」
先程から、しとしとという静かな音が家屋を包んでいる。煩くなく、決して耳障りでないその音は、骨董屋の若旦那に良く似合っている、と村雨は思っていた。
「この分じゃ、彦星と織姫とやらも無理かねェ」
「不憫じゃないか。お前の強運で会わせてやったらどうだ」
「テメェこそ、こう言う時こそ水を司る玄武様の出番だろ」
軽口を叩きながらも、心の中でほんの少しだけ高い空の恋人たちに詫びる。
貴方達は会えないかもしれないけど、自分達は相手の側にいることが出来る。
一房髪を唇で摘んで遊ぶ。別に不快ではないらしく、如月もされるがままになっている。
何をするでもなく、こうやって二人でじゃれ合って時を過ごす。
それがどんなに幸せなことか、二人は知っていた。
自分たちにとって、平和というものがどんなに脆く崩れ落ちるものなのかということも知っていた。






次の日の朝も、雨は続いていた。
朝飯を食べながら見ていたTVの言う事には、台風が近づいてきているらしく、雨に風がプラスされた中を村雨は一人で歩いていた。傘を持って行けと強固に進められたが、この分じゃさそうがさすまいが同じだと断ってきた。
店を出てから三十歩も歩かないうちに、違和感を覚えて立ち止まった。
「チッ…ツイてねぇ」
立ち止まって疑念が確信に変わる。身に当たる風も雨もそのままなのに、前を見ても後ろを見ても景色が同じ。先ほど出てきた店も見えない。―――――閉じ込められた。
それほど慌てずに、辺りを見回す。結界を破るのは村雨の得意分野だ。歪みの繋ぎ目さえ見つけてしまえば、労せず脱出出来る。
しかしぐるりと見回した限り、めぼしいモノはない。軽く首を捻って歩き出す。それほど大きな結界ではないのだが。
と、後にざわりっ、とした不快な気配が浮かび上がった。もごり、と水溜りが盛り上がり、不恰好な人の形態を取る。
考えるより先に、振り返って後に飛び退る。しかしそれを追う様に、水人間の手のようなものがびゅるうりっ! と伸びる!
どぶっ!
「がっ!」
一瞬だった。ほんの一瞬の隙。それでも、致命傷には充分だった。
村雨の脇腹に刺さった水の槍は、抜けることもなく命の源である紅い水を体内から吸い出している。
「チィッ……!」
村雨はしかし、躊躇う素振りも見せずに自らの傷口に自分の指を埋めた。
ぎちっ!
「ぐぅッ……」
水の槍は確かに水の槍ではあるが、身体に突き刺さった部分は硬質化していて、掴むことが出来た。無理やり抜き取り、右手で掴んだまま、左手を制服の内側に伸ばした。水人形がもう一方の手も伸ばそうとするが、村雨の方が早い。
「青短・吹雪!」
呪符から放たれた冷気が、水人形の動きを止める。
そのまま相手の懐まで走りこみ、心臓があるべき場所に五指の爪を叩きこんだ。
ガシャン!!
何かが割れる音がした。
一瞬後に、雨と風の現実が戻ってくる。水で身体に張りついた服の冷たさと、腹腔の熱さのアンバランスに眩暈がする。
本当に膝をつきそうになったが、なんとか堪え、壁を支えにする様に寄りかかって歩き出す。
情けない話だが、たった今出て来た家にたち帰らなければならないようだ。自分の命に関わる状況であるにもかかわらず、村雨の唇は笑みを形作っていた。
「ったく…とんだ誕生日だ」
皮肉めいた呟きと共に。





『しくじりましたか』
『否、あの傷ではそれほど持つまい。我らの秘術で作られたあの呪いは、そうそう解けぬ』
『これで最早、玄武殿の身は安全』
『間違いなく。間違いなく』
『有り得ぬこと。許されぬこと』
『火と水は相容れぬ。…絶対に』






微かに。
雨の匂いの中に、血臭を嗅いだような気がした。
その一瞬後、ダン! と玄関に誰かがぶつかったような音。考える前に立ちあがり、戸を引き開ける。
血臭が強くなった。視線を落とすと、白い学生服が紅に染まっていた。…いくら雨に伸ばされたとしても、多すぎるほどの量で。
「……し、こう?」
ひくっと喉が引き攣れて、声がそれ以上出せなくなった。
その場にしゃがみこむ。否、膝の力が抜けてしまった。ばしゃん、と派手な水音がして着物が濡れるが、かまっている暇などなかった。
「…翡……翠。…悪ィな…後、頼むぜ」
僅かに苦しい息の下から、それだけ言って目を閉じる。
それから後のことは、良く覚えていない。






次に我に返った時は、桜ヶ丘病院のロビーにいた。
思考は完全に停止していたはずなのに、村雨をここまで運び、傷の状態等を院長に知らせ、きびきびと動けた自分に驚いた。感情を抜きにして、自分の身体を動かせたことに感謝したかった。
ぽたり。ぽたり。
自分の髪や顎から、水滴が落ちていって、タイルの床に広がった。
「如月く〜んっ!!」
誰かに呼ばれた。
「……なんだい?」
自分の声はこんな音だったろうか。別人のもののような気がする。
「院長先生が呼んでるの〜。早く来て〜」
「……あぁ」
ぎこちなく、腰をあげる。今まで動けていたのが嘘のように、身体が重い。
「なんちゅう顔してるんだい。あんたのほうが死人みたいだよ」
頭の上から声をかけられて、ゆるゆると視線を上げた。
「そら、しっかりおし。村雨はまだ死んではおらんぞ」
村雨、の名前にぴん、と意識が鮮明になる。
「容態は? どうなんですか?」
「雨に打たれて体温が下がっていたのと、血を失いすぎたのが痛いな。あと、これはあんたの専門だと思うんだけど、…傷口が上手く塞がらん。何かの術式がかけられてるね」
「術が?」
「本来はもっと強い呪いだろうね。あの子の強運ってやつが作用して、あれぐらいで抑えられているんだろう」
つまり、神武の呪いを跳ね返せるほどの村雨でも、影響を受けるほどの力だと。
水の属性で、そこまで強力な呪いと言えば、如月でもそんなに多くは知らない。しかし重要なことは、
「……飛水流ならば、それだけの術式は存在します」
敵は身中に在り。
院長が眉を顰め、高見沢が不安そうに口元を押さえた。
「…村雨は、今何処に?」
「集中治療室の結界の中だ。これからの治療は、あんたがやったほうがいいだろう?」
促す院長に軽く頭を下げて、如月は部屋へ向かった。






治療室のベッドの上に、呼吸器と点滴で括り付けられる様に置かれた身体。
そのあまりにも現実離れした情景に、一瞬自分が見たのは馬鹿げた夢ではないかと錯覚したくなる。
青ざめた顔に、普段の生彩はない。でも多分、自分のほうが青い顔をしているんだろうと如月は思った。
「……祇孔」
小さい声で、名前を呼んだ。
ゆっくりと近づき、口を覆っていた無骨な機械を外す。僅かに開かれた唇に、まるで何かの神聖な儀式の様に口付けた。
水を司る玄武・黒帝水龍は、体内の水分をも操る。自らの血気を口から直に流し込むことも可能なのだ。
最初は浅く、だんだんと深く、しかし貪るようではなく口付けを続ける。ただ、分け与える様に。静かに、優しく。
同時にまだ生々しい傷口に掌を当てる。ぴくりと身体が動き、起こしたかと錯覚したが、反射的な動きをしただけだったのだろう、瞼は開かない。
安堵と不安の入り混じった表情のまま、如月は口付けを続けた。
うじゃじゃけた傷口をゆっくりと擦る。ぴりぴりと指先に感じる呪力を少しずつ拭き取ってやる。
「祇孔…祇孔、もう大丈夫だ……」
息継ぎに離す唇で、小さく名前を囁いて。
「大丈夫…………」
相手よりも、自分に言い聞かせる様に。






『呪が滞りました』
『馬鹿な。あの呪いを解くことが出来るのは我らをおいて他になし』
『否。しかし何故』
『何故、玄武様があの男を助けるのだ』
『解せぬ、解せぬ』





―――耳障りだ。
最後にもう一度だけ口付けて、名残惜しそうに離れた。
「少し待っていてくれ…すぐに終わらせる」
後の手当ては院長に任せれば上手く行くだろう。
きしりと音を立てて、ベッドから下りた。
いつのまにかその手には、北方水気を司る神獣の銘が入った刀が握られていた。
―――雨の音に混じって聞こえる、不快な呟きを止めてやる。





ガゴン!
屋上に繋がる扉を開いた。雨風が叩きつける様に吹きつけ、一瞬前が見えなくなる。
しかし如月の瞳は、この雨の中に隠れている気配を感じ取っていた。
「出て来い。お前達が何なのか、僕には解っているつもりだ。隠れても無駄だ」
ぞわり。
濡れたコンクリートの上から、奇妙なモノたちが染み出して来た。
『玄武様』
『玄武様』
『よくぞご無事で』
水で出来た人間の出来そこない。そうとしか形容できないモノが、ぬらぬらと如月の肢体に纏わりつく。
「退け」
ぱじゅん!
如月が言葉を発したと同時に、顔にまで近づいてきた一体の身体が弾け飛んだ。
『おぉぉおぉお』
『何故』
『何故』
『玄武様』
自らの欲望のために―――否、飛水流を奉るあまり、自らを水に変じた一族が、昔居たという。醜い、ヒトの出来そこないになったとしても、それを護るために固執した者達。
玄武のみを崇め、他の四神―――そして黄龍ですら疎んじ、星を陥そうとして、罰を与えられた。
水と同化し、水として生きる事を定められた。
幼い頃その話を聞いたとき、そこまで飛水のために命すらかけた者達に素直な尊敬の念があった。家のために生き死ぬことを疑問に感じなかったあの頃は。
そこまで考えて、自嘲の笑みを浮かべる。
馬鹿げている。
この世界が水だけで出来ていると?
自分一人だけでも生きていけないというのに?
「この世は全て、相乗相克の理によって成り立っている。どれが栄えても、どれが劣っても、それが本来の姿であるわけがない」
『玄武様』
『玄武様』
『我らに御力を』
「お前達はその独り善がりなエゴで、僕の一番大切なものを傷つけた」
『玄武様!』
「許さない。―――絶対に」
ばじゅん!
無造作に、刀を振るった。真っ二つに斬られた水が、断末魔をあげることなく雨に帰る。
「一つ」
異変を感じて飛び退ろうとした一体を、返す刀で切り落とす。
「二つ」
柄の先に掌をあて、抉る様に突き出す。ごぼぼっ、と音がして泡立ちとともにぐずぐずと消える。
「三つ―――四つ」
残りの者達が、恐怖を感じたらしく、びゅるびゅるっと水の槍を伸ばしてくる。それを避けもせず、肩と足に突き刺さるに任せる。そのまま槍を斬り飛ばす。
『玄武様!』
「僕の名前は如月 翡翠だ。玄武でも、飛水流当主でもあり、そのどちらでもない」
自分の名前の意味を教えてくれたのは、この世で一番大切な人。
戒めであった誇らしいものを、愛しいものに変えてくれた。
「五つ!」
飛びあがって逃げようとしたうちの一体を、真っ向から竹割りにした。しかし残り一体に切っ先が掠り、逃げきられそうになる。
「―――――!」
どしゅどしゅっ!
しかしその前に、空を舞った呪いの呪符が異形を切り裂いた。
「………」
「…………六つ、だな」
いつのまに、ともなんて無茶を、とも言わない。奴なら来るだろうというぼんやりとした予感があっただけ。
「だらしのない、格好だな…」
「ぬかせ。あー…血が足りねェ」
鉄製の扉に凭れ掛かり、ずるずると腰を下した姿は確かに少々間抜けだった。苦笑いして、そこに近づいて…かくん、と膝が崩れた。
「何でェ、てめぇも貧血か」
「仕方ないだろう…お前に半分ばかり血気をやったんだから」
自分の傷口も、そうそう浅くない。
「死にぞこないのお前に、折角分け与えたのだから感謝してくれないか」
「感謝してるぜ、そりゃあもう。…悪かったな、手間ァかけさせた」
自分の頬に伸ばされる、僅かに体温の上がった指が心地良かった。軽く首を振って散る水滴に、雨以外のものが混じっていることには、気付かれなかっただろうか。気付いたかもしれない。それでも指摘しないであろうことに、感謝した。





結局そのまま、村雨は病室に逆戻り。如月も病院で何をやっている、と院長に大目玉をくらい、傷の手当てをされると病室に放りこまれた。
「あぁ、畜生。ツイてねェ」
「たまにはいい薬だろう? これで傘を持ち歩く癖をつけるんだな」
ベッドの上に横たわったまま悪態をつく村雨を、当然だと言うように見下ろす。
「お前が動けないというのも、滅多に見られるものじゃない。悪くないな」
「冗談じゃねェ」
憮然として鼻を鳴らす村雨に、堪えきれなくなって吹き出す。
彼がいるだけで、自分の表情が、言葉が、意味のあるものになると知っているから。
「………結局あいつらは、何だったんだ?」
「……亡霊だよ。飛水家のね」
何も、起こらなければ。自分の道を、自分で選ぶことをしていなかったら。
「僕も一歩間違えれば、あれの仲間入りだったのさ」
教えを護ることに固執するあまり、周りが見えなくなっていた自分を。
変えてくれたのは―――――





また、頬に手が伸ばされた。抵抗することもなく、その腕に引き寄せられる。
「ん……」
寝そべったままの村雨の唇に、顔を落とす。ただ唇を合わせるだけの、浅いキスを。
「もう少し分けてくれよ。血気」
「お前は、もう少し血の気を減らした方がいい」
遊ぶ様に唇を何度か合わせながら呟きあう。
「ん、む……ふっ…」
だんだんと口付けが深くなる。村雨の筋張った指が、如月の首筋から肩にかけてのラインをなぞり、着物を落とした。
「…ん、まだ…本調子じゃあない癖に…」
「イイだろ?」
いらえはない。唇を離す間が勿体無いというようにまた口付けられた。それを了承ととって、指で木目細かい肌をなぞっていく。
「あ……ッ」
如月が上に覆い被さったまま、愛撫を続ける。胸の突起を齧ってやると、小さく甘い叫びが漏れた。
「うン…はぁ……」
村雨は身体を動かさないままに、肌蹴させた如月の身体を思う様弄る。
「あ……アッ、祇孔…」
「翡翠?」
「ッ……んっ」
ゆるゆると身体を起こし、向きを入れ替える。歯で村雨のズボンの前を開け、その中心を舌でなぞった。
「! ……くくッ」
一瞬村雨の身体が硬直し、堪えきれない笑みが漏れる。お返しとばかりに、如月の後の門に舌を這わせてやる。
「あ! は、あっやっ、しこ…うンン!!」
「もう少し濡らせよ」
「はぁ…んむっ」
喉の奥を突く熱さに噎せ返りそうになるのを堪え、舌を絡めて吸い上げる。その間も内側に与えられる愛撫が、如月の腰を砕きそうになる。
「……もういいぜ。跨げよ」
「…今回、きりだからな」
すでに限界が近づいている身体を必死に持ち上げ、また向かい合い寝そべる格好になる。
「まだ、お前の誕生日だろうッ…」
「…! 翡翠…」
「…こんな…モノでいいのなら、お前が望むだけ、くれてやるッ…」
顔を紅色に染めたまま、潤んだ目で訴えてくる如月がどうしようもなく愛しくなって、何度目かもわからない口付けを交した。
「…その言葉、後悔するなよ」
「するわけ、ないッ……く、あァッ!」
腰を下げて、自分から導いて入れた。
がくがくと弓なりになる身体を抱きとめてやると、下から思い切り突き上げた。
「ヒ、あぅあっ! あ、駄目だ、まだ、動くなァっ!」
「悪ィな。手加減できそうにねェ…」
行き場を無くしてさ迷う手を取って、自分の首に導く。
「お前が、おまえが、ぼくから奪ったッ、存在の意味も、誇りも、何もかもッ…全部、全部お前の中から取り返してやるッ…! だから、だ、からァ……」
「あぁ――、全部お前にくれてやるッ、好きなだけ持ってけ! 一生側にいてやる、死ぬまでテメェのことを考えてやる、何もかも吐き出しちまえッ――――!!」
ぐちゃぐちゃに溶け合ったまま、気を失って。





血に塗れた咎は、永遠に消えることがない。
だからこそ、血も体液も何もかも共有して、二人でそれを受け止めるのは―――罪になり得るだろうか?